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Trading Simulation
Whartonのプリタームで人気の授業のひとつにTrading Simulationというクラスがある。

この授業では、資本市場でどのように株式や債券が取引されていくかという価格形成のダイナミズムを3日間のシミュレーションを通じて学生に教える。ファイナンスとexperiential learningで名高いWhartonらしい授業ということで、オークションでも高いプライスで取引されている。ちなみに、Whartonの選択科目はすべて学生に割り振られたポイントによるオークションで競り落とされる仕組みになっていて、Pre-termのオークションは、本番の前にオークションシステムになれるための練習ラウンドの役割を果たしているそうだ。

パソコンが何十台とならぶラボ。教授から簡単なルール説明が行われると、学生たちはそれぞれ画面に向かいながらで架空の金融商品である ”WHARTON”の取引を始める。それぞれの学生には、”WHARTON”の今後の配当予測について異なる情報が提供されるため、最初はシステムへの不慣れと混乱の中で価格は乱高下を繰り返す。しかし、何度かゲームを繰り返す中で、教授から価格形成の理論などの仕組みについて説明が行われ、市場での価格変動がみるみる合理的な動きに変わっていくのを目の当たりにする。

ちょうど慣れてきたかなと思う2日目、今度は別の金融商品 ”HARVARD”が市場に追加投入され、ひとつの商品の値動きにしか慣れていない市場は再び大混乱。教授は意地悪そうににやにや眺めている。今度は教授から二つの商品を使ったアービトラージ(裁定取引)の理論などが紹介され、またしばらくすると市場が合理性を取り戻す。

新たな金融商品が市場に紹介されるたび、最初はその商品の特性や価格形成の「ルール」が一般的に知られていないため、無謀な投機や単純な計算ミスなどが積み重なる。その間、ルールを熟知した新商品の「開発者」や「エキスパート」たちにとってはまたとない大もうけのチャンスが生じることになる。しかし、次第にその商品の特性が広く知られるようになると、そのような儲けの機会は急激に減少し、「エキスパート」たちは次の金になる金融商品の開発に夢中になっていく。複雑なデリバティブ商品が欧米の金融機関に次々に開発されては、巨額のビジネスにつながっていったこの合理的かつ強欲的なプロセスのエッセンスを、わずか3日間のシミュレーションを通じて「体感」させるクラスの設計は見事というほかない。

コース全体を終えて、通算収益がもっとも高かった生徒にはWharton Top Trader 2008の称号が与えられことになっている。優勝商品はただのボールペンなのだが、これが学生らを熱くさせる。何度か大きなミスを重ねながらも「儲けるときには徹底して儲ける」戦略があたり、なんと気がつけば今年のTop Traderのボールペンは僕のものになった。

投資銀行からきたアメリカ人の同級生らにさんざん「このハゲタカ野郎」と冷やかされ、「お前がいうな」とやり返すのも悪い気はしない。
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【2008/08/21 06:15】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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