今年のWhartonが特に力をいれているのが、Leadership Lectureと呼ばれる学生向けの講演シリーズ。この2週間だけでもメリルリンチ前CEOのJohn Thain氏、モルガンスタンレー現CEOのJohn Mack氏がそれぞれ金融危機後、公開の場ではおそらく初めてとなる講演を行うために来校し、臨場感あふれる歴史的な危機管理の現場の体験談で学生を沸かせた。
今日はルノーCEOのカルロス・ゴーン氏。会場一杯に学生たちの熱気に満ちた視線があふれる。確信に満ちた口調で、ゴーン氏は数年以内に世界のインフラ標準は電気自動車に移行すると断言。1000ドルで街路に設置できる電柱型の電力スタンドや、500ドルで家庭に設置できる電気自動車用充電器など、ゼロエミッション社会の具体像を学生たちの前で詳細に描いて見せた。
講演終了後、近くのパブで友人らと講演の感想を語り合った。普段は口数の少ないレバノン人の友人が「電気自動車社会を見据えたベンチャーを起業する!」と熱に浮かされたように昂奮していた。
ボートの金メダリストDaniel Lyon氏が、以前こんなことを話してくれた。
"The most important quality of a transformational leader is the ability of storytelling."ゴーン氏の語る未来のストーリーには、稀代のビジョナリー(visionary)の呼び名にふさわしい、変革のエネルギーが満ちていた。それが、今日数百人の若者の心を動かし、そのうち何人かは実際に新たな未来へ向けて走り始めるだろう。
やはり「本気」は伝染する。
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