FC2ブログ
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告 | page top↑
宙づりのエレベーターの話
新一年生たちのPre-termの最後を飾るLearning Team Retreatという一泊二日のキャンプ研修がある。Wharton名物のカリキュラムの一つで、Wharton流のリーダーシップとチームビルディング教育の雰囲気に、まずは体験学習を通じて慣れてもらおうというものだ。

このRetreatには新一年生だけでなく、40人の2年生がLeadership Fellowとして参加する。Leadership Fellowというのは、リーダーシップ科目のティーチングアシスタント(TA)兼、お兄さん/お姉さん的な役回りで、春に選抜された後、この日のために学校からみっちりとリーダーシップ研修を受けられるのが特典だ。この研修、民間企業で受けようと思ったら目玉が飛び出るような値札がついてくるであろう濃厚な内容になっている。

新一年生たちの到着に先だってLF達は二日前からキャンプサイトにこもって一通りのカリキュラムを自分たちで再現してみる。入学当初のややシニカルな一年生たちの心をどうやって開いてもらうか、どうすれば各エキササイズの目的をきちっと伝えられるか、真剣な試行錯誤の二日間だ。

ところで、LFを引率するWhartonのリーダーシッププログラムオフィスには、プレストンという名物オヤジがいる。彼は世界中のありとあらゆる危機管理系の修羅場をくぐってきているツワモノで、見た目も坊主のゴリラのように巨大だ。また、彼はあらゆる危機管理の場面に適したうそかほんとかわからないような豊富な体験談を展開できる能力で特に有名で、そのcrisis storyを楽しみにしている隠れファンも多い。僕もその一人だ。

Retreatの二日目、LF達が翌日から始まる本番の準備をしていると突然大雨が降りだし、数人のLFがスケジュールの組み換えなどを巡り若干の混乱状態に陥った。待ってましたとばかりにプレストンの登場。LF達を車座に召集し、話が始まった。

『子供のころ、うちの親父は俺たち兄弟とポーカーをやるのが大好きだった。あるとき、親父と兄貴と3人で今はなきワールドトレードセンターの展望台に上ったときのこと。展望台に通じるあの長い長いエレベーターを上っているときに、信じられないことがおきた。エレベーターが突然とまって動かなくなったんだ。

ほかのお客さんたちがパニックになる中で、親父はどうしたか。俺たちに向かってポケットからトランプをとりだし、「よしお前ら、やるぞ」といってエレベーターの床にあぐらをかいて座ってしまった。おそらくその後15分くらい宙づりの静まり返ったエレベーターの中で家族3人でポーカーの音だけが響いていた。すると、突然ガタンといって、エレベーターが15メートルぐらい急降下しやがった。そう、落下の速度で目の前の床のカードがふわっと宙に浮かんだのを覚えている。エレベーターの中は絶叫と悲鳴の渦に。さすがに俺達もちびりそうになって親父の方をみた。すると、親父は表情も変えずにぎょろりと俺達をにらみ一言。

"Are you in, or are you out?" (降りるのか、降りないのか。)

後日親父に「あの時、本当に怖くなかったのか」と聞いたら、「俺が怖がったらお前らはもっと怖がっただろう」とボソリ。恐怖やパニックというのは伝染するものだ。リーダーたるもの、自分の行動が人の心理に与える影響についても常によくわきまえて行動しろ、とオヤジは教えてくれたんだろう。』

ユーモアとリアリティに溢れた、さすがのプレストン節。
外の雨音と夏の芝生のにおいに包まれながら、あす以降の重責にあらためて気を引き締めた。

3867111729_375649d178.jpg

スポンサーサイト
【2009/08/23 12:41】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<メドックマラソン体験記(1) | ホーム | Day One>>
コメント
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://shockyou.blog19.fc2.com/tb.php/35-2cd17e5e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。