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未来の自分への手紙
昨日はTotal Leadershipという授業の最終回。みんなでワインを持ち寄り夕食を食べながら自らの3ヶ月間の軌跡を語り合う形でのちょっとかわった最終講義となった。僕がこの2年間とった授業の中でも最もTransformationalなコースの一つだ。

教壇に立つのはStew Friedman教授。ラーニングチームや360度評価システムなど現在のWhartonのリーダーシップ教育の体系を構築した有名教授で、現在はオバマ政権でWorkplace Flexibilityに関するWhite House Forumの一員を務める。従来のリーダーシップ論が「仕事」の分野のみにフォーカスしがちなのに対して、Total Leadershipでは人生を「仕事」、「家庭」、「コミュニティー」、「自分」の四象限に分けてそれぞれの相互作用を自覚し、絶えず調整していくことを通じて、トータルで充実した人生を送ることを目的としている点が特徴的だ。授業では、彼が昨年出版したTotal Leadershipというテキストに従って、毎回課題をこなしていく。


Total Leadership: Be a Better Leader, Have a Richer LifeTotal Leadership: Be a Better Leader, Have a Richer Life
(2008/05/06)
Stewart D. Friedman

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(ちなみに、このTotal Leadershipという本は非常によく書かれていて、学生の中には授業をとらなくてもこの本さえ読めばほぼポイントはつかめると豪語するものもいる。ただ、個人的にはこの本に書かれている内容を体得するには単に内容を理解するだけではなく、実践することが非常に重要で、よほど自分を律せる人でなければ授業課題の形式をとらなければ一人で最後までやりきるのはなかなか大変だろうなとは思う。)

コースは大きく3つのステップから構成される。第一ステップのテーマは、Be Real。価値観や将来ビジョンといった「自分とは誰か」という問いを内省とコーチングを通じて徹底的に掘り下げ確認していく。一見簡単なように見えて、いざ書き出してみるとなかなか難しく、新たな発見がたくさんある。そして自分を形作っている多くの要素が、忘れかけていたような遠い過去の体験に起因していることに何度もはっと気づかされる。

第二ステップのテーマはBe Whole。「仕事」「家庭」「コミュニティー」の各分野で自分を取り囲む重要な人生のステークホルダー達を洗い出し、お互いの相手に対して抱いているExpectationについて率直に語り合うStakeholder Dialogueを持つ。このカリキュラムの中で、多くの学生が当初最も強い心理的抵抗を感じ、終わった後には最もtransformationalな変化を自分に及ぼしたと述べるこの授業の目玉部分だ。

最後ステップのテーマは、Be Creative。第一ステップで「自分」を確認し、第二ステップで自分を取り囲む様々な「期待」を確認したうえで、最終段階ではこれらをより上手く調和させるための「実験(experiment)」に取り組む。自己分析に基づき自ら考案したExperimentを携え、現状に変化をもたらす行動を開始する。家族と一緒に地域のボランティアを始める人もいれば、週に一度「メールを見ないデー」を定める人もいる。一つ一つは些細な取り組みに見えるが、そこにはまさにstatus quoを変える際にぶつかるであろう様々なleadership challengeが待ち構えていて、行動を通じてさらに自分なりのLeadership styleを完成させていく。

あるときStewに、「どうやってこの理論を構築したのか」と聞いてみた。10年ほど前、Stewのところへある日フォードの経営陣から連絡があり、仕事のストレスで悩んでいる会社幹部達のための幹部研修プログラムをつくってほしいとの要請がきたそうだ。当時、授業でリーダーシップの基礎スキルを教える傍ら、マネジメント学部でワークライフバランスの研究を進めていたStewは、これをきっかけにリーダーシップとワークライフバランスの考えを統合する試みを開始。多くのデータ分析を通じ、家庭やコミュニティーなど仕事以外の分野での満足度が高まると、仕事のパフォーマンスも平均して9-20%向上することを突き止め、従来型のWorkとLifeのトレードオフの関係を超越したTotal Leadershipの理論的なベースを構築したそうだ。

授業では上記3ステップ以外にも、Story TellingのワークショップやSocial Capitalに関する演習、コーチングトレーニングなど一般的なリーダーシップコースの要素もふんだんに盛り込まれている。この2年間、ラーニングチームでのフィードバック練習から始まり、リーダーシップフェローやWGAでの実践など多くのリーダーシップトレーニングの経験を積んできたが、Total Leadershipは文字通りこれらの集大成と言えそうだ。少しずつ書き溜めてきた自分の進捗レポートは、気がつけば 20000 wordを超えた。これだけでも貴重な人生のスナップショットだ。

夕食の席で発表された最後の課題は、それぞれ未来の自分に対して手紙を書くこと。未来の自分に考えてほしいこと、覚えていてほしいこと、取り組んでほしいこと。書き出すとあっという間に用意された便箋が一杯に埋まっていった。手紙はStewが頃合いを見て、各自に郵送してくれるとのこと。Whartonを卒業しても、この手紙の内容を素直に受け止められる自分であり続けることを願いたい。

Stew Friedman 教授
stew.jpg


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【2010/04/28 00:47】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
今回のエントリー、超おもしろいね。
俺も留学中からどうやったら人生でFocusするものの精度を上げて、そしてそれについてよりクリエイティブになるにはどうするか、っていうようなことをずっと考えて試行錯誤してきたから、このエントリーに書いてあることがとてもよくわかる気がする。
【2010/04/30 04:41】 URL | KY #-[ 編集] | page top↑
ありがとうございます。フリードマン教授の編み出したリーダーシップのフレームワークは非常にわかりやすく汎用性があるので、なかなかお勧めですよ。
【2010/05/02 14:41】 URL | shockyou #kOYGJZMw[ 編集] | page top↑
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